treeK’s blog

VOCALOID楽曲の解釈を中心に色々書いていく予定です。

OUTLAWについての考察

ボカロ曲解釈第一弾!

今回はアトムさんのOUTLAWを考察していきます。ギターサウンドと斜に構えたようなミクさんの声がとてもマッチしている曲です。なぜここまで埋もれているのか...というほどの名曲なのでぜひ一度視聴を

原曲→http://www.nicovideo.jp/watch/nm18560111

歌詞→http://piapro.jp/t/YXur

まず、OUTLAWについて

//outlaw→無法者、ならず者、アウトロー(「無法者風な性格」という意味で使われることが多い)goo辞書より引用、後の文章もダブルスラッシュ内は引用とする//

つまりは、社会から外れたところで生きているということでしょうか?

タイトルの推論はさておき早速、歌詞を書いていきます。意味が分かりづらい場所はその都度、補足します。

//以下歌詞引用//

ah...
僕、透明人間に 
なってしまった
様だ 様だ


誹謗も中傷も全部
肺で詰まった
様だ 様だ


ah...
僕、透明人間に
なってしまった
様だ 様だ


歪な地顔も
今となっちゃ終いだ
そうだ そうだ


ah...
僕、透明人間に
なってしまった
様だ 様だ


不埒な感情も全部             //不埒→道理にはずれ不届きなこと//
見透かされた 
様な 様な


閑静な街に                //閑静→物寂しい//
群れて生きてくんだ
個性も右倣えて

 

ねぇ、
何が良くって
何が悪いのかって
誰に決定権あげたんですか? 
ブッダ


さぁ、行こうか!
足元が陰っても              //陰る→太陽や月が雲などに遮られ転ばぬ先にゃ               て光が薄らぎ、前よりも暗くなる//

何も無いけれど
               

間断に差し当たって         //間断→とぎれること。絶え間。切れ目//
大胆に差し押さえて         //差し押さえる→押さえて動かないように暗澹に差し支えてる          する。おしとどめる//

僕を笑ってよ      //暗澹→薄暗くはっきりしないさま。暗く陰気なさま//

でも、行こうか!
『足音を鳴らせ』と    

聴き慣れた声が       

耳鳴りしてる       //踵を鳴らす→踵は靴の踵を指していて、コンクリートや木の床面を音を立てて歩くこと。周りが静かな時、足音が反響する場合によく使う。急いで歩く時、あせって歩く時、威張って歩く時などに使う//



惰性で廻る 齢十数年を
謳歌して探そう     //謳歌→楽しみ味わうこと。声を合わせて歌うこと。//


いつか 僕が此処に
生きていた意味を

 

so...
君、透明人間に
なってしまえば
良いんだ 良いんだ


未来も過去も
まるで存在さえも
褪せたような


so...
君、透明人間に
なってしまえば
良いんだ 良いんだ


強情で傲慢な   //強情→意地を張って、なかなか自分の考えを変えないこと。君を愛せるのも    傲慢→おごりたかぶって人を見くだすこと//
君自身だ


不意に手繰って          //手繰る→物事をそれからそれへと引き出す//
急に離して
廻り回って痛手だらけ


煮えにたぎって          //激しく憤る//
故意に冷まして          //冷静になる//  
怒りの矛先は僕だけ


呪われてんだ
怨まれてんだ
//『恨む』否定された自分が、または否定した自分が相手や自分を憎み、その思いが執着となって相手に向けている状態だが、まだ意識は相手や自分に飛ばしていない。

『呪う』否定された自分が、または否定した自分が相手や自分を憎み、強い執着となった恨みの思いが相手や自分に意識を飛ばした状態(祈り)//
脳髄から
不幸の末裔は    

 

切り貼る程さ
縫い込む程さ
継ぎ接ぎを笑った


閑静な街に
群れて生きてくんだ
通し番号数えて


もぅ、
何が良くって
何が悪いのかって
誰に決定権 有る訳でもない

 誰彼 皆、咎める訳でもない     //咎める→過ちや罪、欠点を取り上げて責め

 実態                   る。非難する。//


さぁ、行こうか!
馬鹿にしな、若人            //青年//
価値観なんて
十人十色だと


108の煩悩で 
裁断じゃ立ち退いて      //裁断→物事の善悪・適否を判断して決めること//
傍観者決め込んでる    //傍観者→手を出さずに、ただそばで見ていること//
僕を嫌ってよ


でも、行こうか!
全うせよ、仲人           //仲人→人同士の間に入り、

その身体 一つ                人間関係を仲立ちする役割の人//
儘ならぬ事、


惰性で廻る 齢十数年で
『そうか。』と悟るよ


いつか君が此処に 
生きていた意味も


君じゃなくちゃ
いけなかった理由(わけ)も

//引用終了//

 

さて、一番では透明人間と繰り返し表現されてますね。透明人間から推測できるのは、他人に見られたくない、自分を深く見られたくないけど消えてしまいたくはない。(自殺はしたくはない)といったところでしょうか? サビ前までの歌詞から、が誰かに誹謗され、自身の性格も看破されてしまった(そう思っている)ようですね。そこでは、自分で判断することを止めて廻りに流されようとしている。しかし、納得がいかず仏陀(高尚な僧)に問うている。(ここは反語かもしれません)

ここで一転してサビ、今までの陰気な歌詞が嘘のように前向きになります。

臆病で閉鎖的なを外に連れ出そうとしている、ように感じます。

 

 

続いて二番。構成は一番と似ていますが所々違いますね。まず、が出てきます。また、「なってしまえば 良いんだ 良いんだ」と誰かが勧告しているようですね。また歌詞の「強情で高慢な」「不意に手繰って・・・」から自己中心で結局自分が損しているようです。

その先の「怒りの矛先は僕だけ」「呪われてんだ」「不幸の末裔からは」は犯した失敗をに押し付ける、を恨み呪うことしかできない不幸な奴だ、とが言っているようです。

次のフレーズで「継ぎ接ぎを笑った」とありますがこの時点では、継ぎ接ぎとは何なのか?誰が誰に向かって笑っているのか?それとも自傷なのか分かりかねますね。

続いて「もぅ、何が良くって・・・ 実態」は一番の自問に対する自答だと思います。

二サビ。若人と言う言葉が出てきますが、誰を示すのか?僕か、君か、それとも態々上二つを使ってないことを考えると第三者なのか?一通り歌詞を吟味してから再考察したいですね。

 

少々話はそれますが、煩悩について

年越しになると除夜の鐘を108回突きますが、これは煩悩の数を表しているようです。煩悩の数については諸説ありその一部を紹介します

1.1人には感覚を生じさせることで迷いを起こさせる六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)があり、それぞれに好(気持ちがよい)・悪(不快)・平(どちらでもない)の三種を掛けた18の煩悩があると言われています。さらに、この18に浄(綺麗)と染(汚い)の二種を掛けて36、そこに過去・現在・未来の3つの時間を掛けて、36×3=108となると言われています。

2.四苦八苦という言葉から、四苦(4×9=36)と八苦(8×9=72)を足して108の煩悩があると言われています

3昔から日本では「たくさんの」という意味があるものに、8という数字を使っていました。例えば、八百万の神も実際に八百万の神様がいるわけではなく、それくらい無限にいるという意味です。このことから、煩悩の数が108と言われるのも、本当に108あるわけではなくたくさんの数という意味があると言われています。

実際、鐘を突く数もお寺によって違い200回以上突く場合もあるようです。

 

煩悩の意味や由来!なぜ除夜の鐘を108回つくのか? – 豆知識PRESS

 

今まで、が繰り返し出てきましたがその関係性は明記されてきませんでした。家族なのか、友人なのか、恋人なのか、それとも??

ここで「仲人」「その身体 一つ儘ならぬ事」と出てきます。ここから言えるのは今まで言ってきた、とは同一人物なのではないか。つまり、僕と君は多重人格なのではないでしょうかここでの多重人格は身内と外で使い分けるような人格で十面相とかの方が近いのでしょうか。皆さんも場合によって使い分ける人格を持っていますよね?仲人は僕と君を合わせた意識、繋ぎ合わせたものみたいに考えます。こう考えると残りの歌詞も納得がいきます

   

目線で語られる歌詞、臆病で消極的な、それでも勇敢に立ち向かおうとする仲人。「生きている理由を、一緒に歌いながら探そうぜ!」

 君を自分と同じようにしたい、そんなに怒り呪う。そんな合わない二つを笑ってしまう。でも、価値観なんて皆それぞれだろ、もし笑いたい奴がいるなら笑えばいいさ。そんながいて、そんながいての身体だろ。気付いてしまえよ、がいた意味も、が必要だった理由も。

 

つまり、内(僕)と外(君)の人格の違いに悩み苦しむティーンネージャーの歌ではないでしょうか。誰もがそのうちに幾つかの人格を持っていると思います。その一つが消えてしまうわけではないし、それが自分にとって必要なものなのではないでしょうか。だから、消そうとしないで向き合っていこうぜ、とのメッセージを感じました。

 

オマケ・サムネイルの英語

(左上)Let's go! The young man make a fool of an old person. The sence of values is different in each. But please dislike me who lose my nerve in an important place. But please know it. What you are troubled with now. Surely it can be understood.

さぁ、行こうか!

(右上)Me who became invisible man.
Mental abuse cannot be said, either.
Me who became invisible man.
The distorted face also disappeared and was lost.
Me who became invisible man.
Indecent feeling was also perceived.
I live in the quiet town secretly.
Individually was thrown away.
Can the good or bad decide on nobody?
Buddha

誰に決定権あげたんですか?

ブッダ

(下)

Let's go! and a step is pitch-black.
Even if I am troubled with an obstacle.
Even if I committed a real mistake.
Even if I was depressed helplessly.
Still I go. Tell oneself,"I begin to walk"
I enjoy a prolonged life, and let's look for it.
I want to know the meaning that I was born.
Will you become the Invisible Man who is same as me?
Will you abandon the future and a past?
Will you become the Invisible Man who is same as me?
You can love only you.
By the behavior with the mind.
If I make it curt suddenly.
Surely I will be hurt.
I am beside myself for anger.
However, as for the target person, I am alone.
Surely I am a progeny of the misfortune.
I live in the quiet town secretly.
I count a serial number.
Nobody can make decision that I am good and am bad.
However we judge it.
(It leads to the left upper part)

『足音を鳴らせ』と

(左上に続く)